
皆さんは「電動キックボードをご存じでしょうか?」
子供の頃に使っていたキックボードにモーターとバッテリーが付いたものと言うとイメージしやすいかもしれません。
実際に歩行するよりも楽に移動できるので、特に都市部において利用されることが多くなっています。
しかし、そんな電動キックボードについて、疑問を持つ人はかなり多いはずです。
それは、「電動キックボードは免許不要なの?」という疑問です。
この記事では、そんな「電動キックボードは公道で免許は不要なのかどうか」という疑問について解説していきたいと思います。
電動キックボードとは?
電動キックボードは、見た目はキックボードでありながらもモーターとバッテリーが搭載されていて、ミラーやアクセル、ブレーキなどの機能も備わっています。
キックボードというと、片足で勢いをつけながら、スピードが落ちたら再度地面を片足で蹴ってスピードを出す乗り物ですが、電動キックボードでは一度地面を蹴って進めばそこからまるでバイクのようにスイスイと進んでいけるようになっています。
通勤や通学、会社や工場の敷地内の移動、私有地内での移動などに重宝するアイテムだと言えます。
折りたためるタイプの電動キックボードもあるので、保安場所も少なくて済み、階段などのも気軽に持ち運ぶことが可能となっています。
電動キックボードの規制が大幅緩和
電動キックボードはここ数年でその性能の高さから非常に注目を浴びるアイテムでしたが、ある報道がきっかけでさらにその注目度が増しました。
2021年12月12月23日に警察庁から驚きの発表がなされたのです。
その内容は、以下の通りです。
・時速20キロ以下での走行するものに関しては運転免許不要(16歳以上、15歳以下は公道走行不可)
・ヘルメットの着用は努力義務
・一部の機種に関しては歩道を走行することも可(時速6キロ以下のもの)
このように、電動キックボードに関する規制が大幅に緩和されるのです。
規制緩和以前は、原動機付自転車の免許が必要で、ヘルメットの着用も義務化されます。
これが、「最高速度が20キロ以下で長さ190㎝×幅60㎝に収まる車体」であれば、「特定小型原動機付自転車」となり、上記の特例が適用されるのです。
特定小型原動機付自転車と分類されたことで、車道や普通自転車専用通行帯、自転車道の3種類で走行が可能となり、さらに最高6キロに制御した状態で補助標識で歩道走行可となっている区間については電動キックボードでも通行可能となるのです。
電動キックボードの規制が緩和されるのはいつから?
電動キックボードを所有していたり、購入を検討している人にとって気になるのは、「いつから実際に規制が緩和されるのか?」という疑問ですよね。
2022年3月4日に閣議決定され、今国会での成立を目指しているので、まだ具体的な日程は決まっていません。
閣議決定されたということは、今後国会の審議にかけられ、可決されれば予算案ができます。
電動キックボードファンからすると「早く施行されてほしい」という思いがありますが、実際の緩和開始はもう少し先のこととなりそうです。
施行されるまでは原動機付自転車扱いなので、注意が必要だと言えるでしょう。
規制緩和による事故急増の懸念
世界的にも電動モビリティ時代が到来してきていると言えますし、日本に関しても今回の電動キックボードの規制緩和によって電動モビリティ時代がすぐそこまで来ていることが実感できます。
しかし、日本ではまだまだ越えなければならない壁がいくつもあるようにも感じます。
それは、日本の道路事情であったり、人々の意識の低さによる「事故急増の懸念がある」ということです。
特に日本の各都市(東京や大阪、横浜、名古屋、札幌、福岡、神戸、さいたま)などでは、交通量や人口が非常に多いので、電動キックボードでの移動による事故が多くなってしまう危険性があります。
日本は道路幅が外国と比べ狭くなっているので、そういった意味でもリスクが高いと言えます。
また、人々の意識の低さも懸念される問題の1つです。
自動車というスピードが速く大きな鉄の塊である危険な乗り物が走る車道と、スピードが遅く事故に対する耐性が極めて低い歩行者が歩く歩道の両方を移動してしまう人も多くなるはずです。
6キロ以下でしか許可されない歩道を、20キロ近く出しながら移動する人が増えれば、間違いなく事故は多発しますし、その際に大怪我をするのは歩行者である可能性が高くなるでしょう。
そういった意味でも、法規制はもちろん、電動キックボードを使用する人のモラルも向上させなければならないと言えるはずです。
令和4年7月までの期間、東京都の一部の地域で電動キックボードの安全性等についての実証実験が行われていますが、TwitterなどのSNSでは様々な疑問や不安の声が聞かれています。
まとめ
今回は、「電動キックボードは公道で免許は不要なのかどうか」という疑問について解説してきました。
電動キックボードは、通勤通学やちょっとした移動に最適なツールです。
しかし、現段階ではまだまだ規制が厳しく、気軽に街中を移動できるような状況ではありません。
賛否両論ある電動キックボードの規制緩和によって、今後は免許不要で乗れるようになる可能性が高いですが、いつから施行されるかは今のところ不明となっています。